2010年06月12日

第二回・委員会議事録 (3)

白 : と云う訳で、太陽系第三惑星「ニャース」に棲息する全・現住二足歩行動物のことを「ピーポッポ」と総称することで決定した訳にゃが、この「ピーポッポ」が、何故か全宇宙自由猫同盟の第九植民星「ニャーペン・ターズ」に棲む原住生物「ミープル」に酷似することが当面の議題となっていたにゃ。

全員 : うんにゃうんにゃ。

粒 : 問題は、形態上の相似以上に、その基本的な生態や行動様式などに至るまで、非常によく似ていると云うことにゃ。まあ、抽象的な言い方をすれば、その根本精神や根性と云うことにゃ。

乳 : 四十万光年以上離れた惑星間で、これほどの類似が起きると云うのは、偶然なのかにゃ?

白 : そのことも含めて調査するために、この五猫委員会はあるんだにゃ。

コミ : そうにゃにょ?

白 : そうにゃにょ!!

粒 : 昔、「ピーポッポ」の「ニャイル・ランド」出身の文学者に「ジョニャシャン・シュウィフチョ」と云う云いにくい名前の者がいたにゃ。

白 : それはおまえが故国風に発音しているからで、「ピーポッポ」の名前は「ピーボッボ」風に読めばいいにゃ。

粒 : そうにゃったにゃ。「ジョニャシャン・シュウィフチョ」にゃったにゃ。

白 : 変わってないにゃ。おまえ、「ニャース」歴浅いからにゃ。正しくは、「ジョナサン・スウィフト」にゃ。

粒 : 彼にょ『しぇんいかや始まいにょちに複しゅうにょふにぇにょしぇん長とにゃっちゃ「レミュエユ・ンニャイヴァー」による、しぇかいにょ諸僻地へにょ旅行記四篇』にょうちにょ第四篇「フウイニュム国渡航記」には...

白 : おまえ普通に読むにゃ!! もう全然分かんにゃいにゃ!! それに誰にも分からにゃい正式名* で云うにょも止めるにゃあ...

粒 : 分かったにゃ。 ええと、『しぇんいから始まいにょちに...』...

白 : もういいにゃ! 『ガリバー旅行記』の第四篇でいいにゃ。

粒 : んにゃんにゃ、ちょれちょれ。「ミープル」って、この作品の中の「ヤプー」みたいにゃ。

長官 : いやいや、「ヤプー」は「沼正三」の小説* に登場する性の奴隷に改造された「ピーポッポ」のことにゃ。「ガリバー」に出てくるのは、「ヤフー」にゃ。

粒 : 「ミープル」も「ヤフー」も、文明化の度合いが異なるだけで、どちらも非常に見かけから中身まで「ピーポッポ」によく似ているのにゃ。

乳 : 逆に云えば、太陽系第三惑星「ニャース」に初めて来る自由猫は、「ミープル」を想像すれば、大体この惑星を蹂躙する「ピーポッポ」のイメージが湧くにゃ。

白 : 「ミルコ・ミルコビッチ・ミルキンスキー」少佐、君は本日の議論のまさに中心的な意義を指摘ちまちた!

乳 : わたち、いつ「少佐」になったの?

白 : うん。さっき。

乳 : でも、わたち軍人じゃにゃいにょに?

白 : うん。「福島指令」から...。

長官 : そんなことはいいかや、閑話休題、閑話休題。「TBTBさん」続けて。

粒 : そこで、『ガリバー旅行記』から「ヤフー」の諸特徴について抜き出してみようと思ったにゃが、面倒くさいから、ちょっと「ウィキ」っちゃったにゃ。

コミ : んにゃ、知ってる、突然、英語で町中インタビューをしてくる黒人さんにゃ!

白 : また始まったにゃ...。そんな古い話、誰も知らないにゃ...。

長官 : いや、それは違うにゃ。確かに「ウィッキーさん」の「ワンポイント英会話」は、平成六年 (1994) で終わったにゃが、その後も、特番等でちょくちょく復活してるにゃよ。最近では、去年の三月と七月にそれぞれ特番復活を果たしているにゃ。つい最近までは、「イエローハット」のCMにも出ていたし、「白さん」失礼にゃ!

白 : それは失敬にゃん...

長官 : それに「小宮山さん」、「ウィッキーさん」は、黒人ではなくて、「スリランカ人」にゃ!!

コミ : ンガー、ンゴー、Zzz.....

粒 : 続けるにゃ。

ヤフーは、 (中略) 人類を否定的に歪曲した野蛮な種族であり、ヤフーの中には退化した人間性がある。ヤフーは酩酊性のある植物の根によるアルコール中毒に似た習慣を持っており、絶え間なく争い、無益な輝く石を切に求めている。ガリヴァーと友人のフウイヌムは、人間とヤフーについての記録を比較し、二匹のヤフーが輝く石を巡って争っている隙に三匹目が石を奪い取るというヤフーの行為と訴訟や、特に理由も無いのに同種族で争いあうヤフーの習性と戦争のような、二種族の類似性を発見する。
「ウィキペディア」より

白 : うーむ、まさに「ミープル」にゃ。あっ、でも近年の「ミープル」はかなりマシににゃったがにぇ...。

長官 : それにしても、「ウィキペディア」の記述、意外と大したことないですねー。

乳 : んにゃ。こんにゃにゃら、大して長くないから、第四篇を全部読み通した方が分かりいいにゃ。

コミ : にゃあぁ。大体、この小説は第四篇が白眉にゃ。「ピーポッポ」は、第一篇と第二篇ばかり読むのは、愚かしい限りにゃ。

長官 : 然り、然り。その次は第三篇が優れているにゃ。

粒 : にゃんだか、みんにゃ『ガリバー旅行記』に詳しいにゃ。

長官 : そりゃそうにゃ。「ニャース文学」では、猫語訳が出ている数少ない作品だからにゃ。

粒 : えっ、そうなにょ?! 苦労して原書読んでいたにょに...。

乳 : えっ、知らなかったにょ?! だって、翻訳したのは「Nyo'Changさん」だよ!

粒 : にょえーッ!! 「白さん」そうなにょ?

白 : うむ、まあそうなにょね。言い遅れて申し訳なかったにゃ。

粒 : 道理で、発音とかしっかりしていると思ったにゃあ...。

長官 : まあ、そう落ち込むにゃ。今度、肉球入本でも貰うといいにゃ。本国じゃ、いますごいプレミアついているにゃよ。

白 : えっ、そうなにょ?! しまった、それでこの前「福島指令」から箱で送れるだけ送ってこいと云われた訳だ...。猫族の教化のためだとか云ってたくせに...。

乳 : あっ、そう云えば、「福島指令」、念願のマイホーム買ったとか云ってたにゃ。

全員 : .....。

 (つづく)



* 『ガリバー旅行記』の正式名
『船医から始まり後に複数の船の船長となったレミュエル・ガリヴァーによる、世界の諸僻地への旅行記四篇』

* 沼正三の小説
『家畜人ヤプー』のこと。作者の「沼正三」の正体に関しては諸説があるため、ここでは一応、不明としておく。
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2010年06月10日

第二回・委員会議事録 (2)

白 : 委員諸君、にゃっハイ!!

全員 : にゃっハイ!!

白 : 今日は、さすがに真面目な話するにゃ。みんにゃ、いいにゃ!!

全員 : にゃああ... *

白 : 太陽系第三惑星「ニャース」に着いて、最初に気づいたことって何にゃ?

乳 : うーん、やっぱり現住生物で一番威張っている「ニャプー」たちが、全宇宙自由猫同盟の第九植民星「ニャーペン・ターズ」に住む原住生物の「ミープル」に似ていることかにゃ。

コミ : うにっうにっ、似ちぇる似ちぇる、て云うか「木天蓼 またたび 三つ *」にゃ。

白 : それってお前の本国の諺にゃ、「ニャプ語」では「瓜二つ」って云うにゃよ。

コミ : そりゃ失敬。でも、「ニャプ」って「ミープル」にそっくりなんにゃあ。

長官 : いやいや、君、正確に云うと、「ニャプ」と云うのは、太陽系第三惑星「ニャース」に住む現住二足歩行動物の総称ではなくて、飽くまでも我にゃが着陸した島とその周辺のいくつかの島嶼に住む現住二足歩行動物の一般呼称に過ぎないことを忘れないようにしようにゃ。

コミ : にゃがにゃが *、太陽系第三惑星「ニャース」に住む現住二足歩行動物の総称は何と云うにゃ?

白 : それが、先日、全宇宙自由猫同盟の言語統括委員会に諮問したところ、まだ決まっていにゃいと云うにゃよ。ついでに、「五猫委員会」で決めちゃいにゃしゃい、と云う緩い指令を受けたにゃア...。

全員 : にょにょにょにょにょー *。

白 : それじゃ、みんにゃ、いい意見はにゃいかにゃ?

粒 : この前、「ニャプ」ちゃちの書いた辞典類を解読していちゃら、どうも「ニャプ」などの現住二足歩行動物は、しょれじょれの居住地域内で別の言語を使うらしく、みんにゃそれぞれに違う総称を使うらしいにゃよ。

乳 : にゃにゃ?! 「ニャプ」たちはなんでそんな難しいことするにゃか?

粒 : ちゃんとは分かんにゃいにゃが、あたちの憶測とちては、「ニャプ」たちは基本的に自分以外の存在の話を聞かにゃい、と云う意味不明の習性を持っていまちて、言葉を変えるのも、他の者の話を聞かにゃいためにゃのではにゃいかと思われまちゅ。

長官 : 然り、然り。そにょ上、「ニャプ」たちは、意味もなく互いを統計学的に抹滅すると云うか、互いの互いに対する生命活動の積極的な停止に貢献しあうと云うか、僕にゃにはにゃい不思議な自滅的行動を取るために、敢えて言語を変えてコミユニケーションが成立しにくいようにしていると疑われますにゃ。

乳 : うーん、それは難しい話にゃ。ちょっと理解しにくいにゃ。

粒 : あちゃちちゃちにはにゃい行動パターンにゃので、ちょっと...。あちゃちも、まだ中世の「ニャプ語」までしか研究が行き着いちぇいましぇんにょで、はっきりちたこちょは云えにゃいのですが、「ニャプ」たちはこの不思議な集団行動を「いくさ」ちょか云っちぇますにゃ。

長官 : おお、おまえにょこの前云っていた「腹が減っては、うにゃうにゃ」と云う奴なにゃ。

粒 : ええ、そうにゃ。しかし、「ニャプ」を含む「ニャース」の全・現住二足歩行動物は、時折どうしても自分達が何の動物かをみんにゃで確認したいときは、自分たちのことをどうも「ホモ」と呼ぶらちいちゅ。

白 : いやいや、君の研究にケチをつけるつもりではにゃが、「ホモ」と云うのは、何だか別のことを指す気がするじょ。

コミ : わたちは、この前、道中で出会った「ニャプ」に思い切って、自分達のことを何と云うか、聞いてみたにゃ。

全員 : にゃが?

コミ : そうしたら、答えが長いにょ。「ニャプ語」は駄目ね。

粒 : だから、「ニャプ」はなんて答えたのにょさ。

コミ : うーん、長過ぎて覚えていにゃいけど、一つは「うそー、何か云っているよ、かわいいー」で、もう一つは「ミャーミャーうっせー、殺すぞ、ボケ」てな感じだったにゃ。

白 : うむ、他のみんにゃの話を聞いた方がいいかにゃ...。

長官 : 祖父が昔、「ニャース」に潜行した時、「ニャプ」ではなく、惑星の反対側の「入浴」と云うところで、この惑星の全・現住二足歩行動物のことを「ピーポッポ」と云っていたと云うにゃ。

粒 : それ云うにゃら「入浴」じゃにゃくて、「ニューニョーク」にゃ。

長官 : それは失敬。しかし、祖父の話では、ここの現住二足歩行生物が、惑星中で一番威張っているらしいから、ここの言葉は比較的、惑星中で通用するらしいと云うにゃ。

白 : うーむ、確かに「ピーポッポ」の方が、「ホモ」よりは、いいかにゃぁ...。

粒 : しかし、「ピーポッポ」では何だか放送禁止用語を隠しているようにゃ...

白 : ううちゃい!! 「ピーポッポ」に決定!! いいにゃ!

全員 : にょーッ!!

 (長くなったので、つづく...)

次回は「ミープル」の正体に迫るにゃ! 乞う御期待!!



語注

* にゃああ...

消極的同意を意味する。

* 木天蓼 またたび 三つ
正確には、「同じ形の木天蓼は二つはあっても三つはないはずなのに...」と云う。意味は、「ニャプ語」の「瓜二つ」と同じ。

* にゃがにゃが
性急に先を促すときの言葉。「にゃが」だけでも同意。

* にょにょにょにょにょー
「ニャプ語」の、対象に対する軽い失望や失意を表す「あららららー」と同意で、かつイントネーションもまったく同じである。
posted by Le chat d'or at 10:24| Comment(2) | 議事録 | 更新情報をチェックする

2010年06月08日

第二回・委員会議事録 (1)

白 : 委員諸君、にゃっハイ!!

全員 : にゃっハイ!!

白 : 今日こそは、本当に、太陽系第三惑星「ニャース」に於ける我等が猫族の窮状を打開するための話し合いをするにゃ!!

全員 : にょーッ!!

粒 : でも、気ににゃったことがあるにゃ...。

白 : なんにゃ。

粒 : 前回、「パウエル」が「長官」を名乗っていたにゃが、あれ変にゃ。

乳 : そうにゃ、そうにゃ。「国務次官補」と聞いていたにゃ。経歴詐称にゃ。

長官 : にゃはー、失敬、失敬。報告忘れてたにゃが、故郷で「国務長官」に昇格されたにゃ。

全員 : にゃわーん!! *

長官 : 「国務次官補」にゃと、名前書くのに不便にゃからって、「ルシャドール福島」司令、直々の辞令にゃ...。

粒 : うーん、て云うか、「ルシャドール福島」代表って、いつから「司令」になったにゃ?

白 : あにょ人は、昔から名前や肩書きがコロコロ変わるにゃよ。初めて会ったときは、「雲谷作内」と云う漂泊の武芸者ゆってたにゃ!

乳 : わたしのときは「山根小太郎」って名乗ってたにゃ。作家だって云ってたにゃ。

長官 : 知ってるにゃ。『どんぐりと山根小太郎』って、自伝を書いたにゃ!

白 : にょにょにょにょにょおおお!! *

粒 : あたちは、この前、昔の名前で出ていまチュッ、とか云われてキスされかけたにゃ。おやぢは、なに云ってるか分かんにゃいにゃ!

白 : それって、おやぢとかに関係にゃく、まったく意味不明にゃ...。

乳 : て云うか、わたしは刺身はあんまし好きじゃないにゃよ。

コミ : うんにぇー!! *

白 : みんにゃ、関係ある話するにゃ!!

粒 : 白さんは刺身好きにゃか?

コミ : うんっにゃにゃーぁぁ!! (もはや意味不明...)

(この後、コミの不可解な行動が嵩じて、全員避難。次回から真面目な議論に入る予定らしいにゃ...)



語注

* にゃわーん!!
驚きと疑いの気持ちを中心とした感情語。著名なる「ニャプ語学者」の「Q. B. Xander」博士は、概ね「ありぇなあい」「しんじられなぁい」に当たるものと云う研究成果を近年発表している。更に「しんじられなぁい」に関して、『ニャプ語用法用例辞典』の編者、「ニャン・セイドー」博士は「44ぶりに球団が優勝したときなどに、不思議なアクセントを付けて発音する」と、より具体的に解説している。
ちなみに、驚きと疑いを交えた感じ擁護は、語中に「わん」の活用形を含むことで知られる。「わん」の場合は、軽い疑い、「わーん」の場合は強い疑いを意味する。また、語尾についた場合は、驚きと疑いを併せた感情となり、語頭に「わん」活用が来た場合は、疑いの気持ちから非難の気持ちへと感情が移りつつあることを表している。したがって、「わんにゃ.... (何してんだよ、もう...) 」「わんにゃ? (ちょっとぉ、何してんのよ) 」「わんにゃーッ!! (言語道断にゃ!!) 」のように使用する。

* にょにょにょにょにょおおお!!
概ね、「それって宮沢賢治のパクリじゃん!!」と翻訳出来る猫語。

* うんにぇー!!
概ね、「嘘っ!! マジかよ!!」と翻訳出来る猫語。
posted by Le chat d'or at 01:19| Comment(0) | 議事録 | 更新情報をチェックする
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